2016年05月16日

頭の休憩。フォミーン他著「やわらかな思考を育てる数学問題集」

フォミーン、ゲンキン、イテンベルク著「やわらかな思考を育てる数学問題集(全3冊セット) (岩波現代文庫)」岩波現代文庫、計¥3,370

なんとなく頭が疲れたときに、気分転換って大事ですよね。読書の疲れを読書でというと変なのですが、ようは頭の使う場所を変えてやるということです。これは佐藤優著「読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」にも書いてありました。

佐藤氏は高校の数学の問題を解いているとのことで、それはそれで楽しそうではありますが、わたくしは別のものを。

裏表紙から。「ロシアの子どもたちが十代はじめから夢中になって取り組んだ、とっておきの問題がぎっしり。解くのに求められるのは中学レベルの知識と考え続ける根気、そしてやわらかな頭です。」

中学レベルということですから、紙と鉛筆はあったほうがよいですし、時間もかかる。でも、何かを考え続ける合間にちょっと頭を休めるには、こういう本は楽しいですね。社会人のおじさんが見てもよくわからない問題もありますが、紙と鉛筆を持って解いたり、紙も鉛筆もなくても頭の中で考えるちょっとした問題は楽しいです。

わたくしはいつも小さいノートを持ち歩いていますが、できれば大きなノートの方がよさそうですね。図を大きく描くほうが理解は早いだろう、よりよく理解できるだろうと思います。

全3冊のセットですが、わたくしはまだ第1巻だけ、しかもその冒頭だけしか見ていません。最初の数問がとっかかりやすかったので、つい買ってしまいました。頭の中だけで解ける問題もありますので、やってみるとおもしろいです。その後、本を開いて問題を解いていくと、むずかしい問題がたくさん出てきますので(笑)、そのときに「しまった」と思ってももう遅い(笑)。ハマってください。

数学の本ですが、示唆的なことばも出てきます。
対称性の戦略を用いてゲームの問題を解くときには、前の手によって戦略がダメにされない対称性を見つけなければなりません。(p.118)

これなど、なんか実生活に応用できそうじゃありませんか(笑)?

芸能人が出てくるしょーもないクイズ番組だけでなく(そういうのも好きでよく見るのですけどね 笑)、「頭をやわらかくする」書籍にも取り組んでみたらいかがでしょう?

最後に。このての本、よくないのは、息抜きに取りかかった問題だったはずが、いつの間にか問題を解くほうに夢中になってしまうこと。どっちがメインだったのか忘れてしばしば没頭してしまいます。取扱注意(笑)。

もうひとつ最後に。こういう本こそKindle化してほしいですね。ちょっとした時間で問題を眺め、解いてみる。電子書籍の真骨頂だと思います。マンガのように固定ページでけっこうですので、ぜひ。

やわらかな思考を育てる数学問題集(全3冊セット) (岩波現代文庫) -
やわらかな思考を育てる数学問題集(全3冊セット) (岩波現代文庫) -
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門 -
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門 -
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2016年05月09日

記者ハンドブック

文章の書き方をについて書かれた本はたくさんあり、どれも参考になります。その中でも自分にとってのベストをあげると、本多勝一著「【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)」と木下是雄「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」が双璧でした。これまでは!

多くの人が文章をワープロで書くようになってから、やたら漢字の多い読みにくい文章が増えました。PCにしても、Windowsについているインプットメソッドがやたらと漢字に変換してくれる。「物」とか「事」とか、「もの」「こと」のほうが読みやすいと思いますけど。「出来る」とか、肉筆ではあまり書かないと思いますが、どうでしょうか? 「有難う」とか書いてあると、破り捨てたくなりますね(笑)。テレビでも話している言葉に字幕が入ることがとても多くなりました。字幕そのものはあってもよいとは思うのですが、表記はとても気になります。

その中で、私が日常的な文章表現で参考にしているのは新聞です。新聞は多くの人が目を通すことから、文章を読みやすくするための工夫がしてあります。漢字を使いすぎないように注意したり、漢字やカタカナの使いかたなど、参考になります。

というわけで、この共同通信社刊「記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集」です。漢字・カタカナの表記についての原則や、外来語の用例集、法律関連用語の解説、数字の書きかた、差別語や不快用語などについても解説があり、便利この上ない。迷ったときにこれに当たればよいので、とても重宝しています。登録商標の言い換えも便利ですね。万歩計って商標名なんですよ、知っていましたか?

句読点の打ち方はよい説明だと思います。きちんと説明しているのは「日本語の作文技術」ですが、ある程度のことは「記者ハンドブック」で用が足りますね。

仕事上でもプライベートでも、ある程度の量の文章を書かれるかたなら、購入して損はないでしょう。ぜひ、ご参考に。現在の第13版は先日発売になったばかりです。そんなに陳腐化することはないと思いますので、買っておいて損はない!

記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集 -
記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集 -
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) -
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) -
理科系の作文技術 (中公新書 (624)) -
理科系の作文技術 (中公新書 (624)) -
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2016年04月15日

今年前半最大の収穫。「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」

ルイス・ダートネル著「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」河出書房新社、¥2,484

生物テロ、核戦争、はたまた小隕石の衝突、重大な病気の蔓延…… そういったことで人類の大半が滅んでしまった後、残された人々はどうやって文明を再興していくか。なんとも魅力的な設定ですね。もちろん自分は残される方です(笑)。

自分とその家族など数名が小規模なコミュニティを形成して生き残り、新たな生活をはじめるとしたら、何を、どんな順番で、どのように行いながらするのか。そういった思考実験の本です。同時に、人類が今の生活を得るために行ってきたことごとが、なぞられていっています。現代の生活に欠かせないPC、ケータイなどの科学技術はもちろんですが、農薬肥料、爆発物など地味だけど避けて通れない物質の生成方法などは必須。化学の復習みたいで楽しかったです。

まず農業かな、と考えるその前に、必要な物資を都市で手に入れ、それから田舎へ避難する。物資が残っていそうだし、農業をはじめるにしても人がいなくなれば都市でよいのではと思いますが、そうではないようです。

その後、農業、医薬品、移送手段など重要度ごとに手順を追って、復興への道すじをしめします。「マッドマックス」とか「北斗の拳」などの世紀末的な破滅のイメージではなく、現代の生活に近いところまで復活し、自分や自分の子どもたちがテクノロジー社会の恩恵を享受できるような日がふたたび来ることを、願っています。まだ滅んでいないですけどね(笑)。

復活後の世界は、エネルギー的にはガソリンをバンバン使うようなこれまでの生活様式ではなく、エコロジカルで自然と共存できるような世の中になるということが想像されています。そうあってほしいと望んでいます。残念ながら、地中に深く眠る石油類は、もう簡単には使えなくなっていますから。
大破局によって初歩的な段階にまで押し戻された社会では、ガソリンスタンドやガスタンクの在庫がなくなったあと、熱エネルギーの需要に見合うだけのものを供給するのは困難になるかもしれない。(中略)大破局後の生存者の中には、露天掘りできる地表に近い石炭の鉱脈を見つけられる集団もあるだろうが、それでも再出発する文明は環境に優しい復興を余儀なくされるかもしれない。(pp.116-117)


なお。Amazonのレビューに、翻訳がよくないという評価があります。たしかに、文系人間のわたくしが読んでいても「あれ?」と思うような記述があるのですが、それでもこの本は十分におもしろく、読む価値のある本だと思います。「翻訳が悪いから読む価値がない」と切り捨てるにはもったいない本です。「翻訳のまちがい」を考慮しても、楽しく読める本です。そして願わくば、この本が必要になるような世界が来ないことを祈ります……

私自身、「破局」をあつかった小説やストーリーは好きなのです。たとえばゴールディング「蠅の王」、楳図かずお「漂流教室〔文庫版〕(1) (小学館文庫)」、最近のものだと東野圭吾「パラドックス13 (講談社文庫)」、萩尾望都の「AWAY-アウェイ- 1 (フラワーコミックス)」も入れてよいでしょうか。科学文明復興のための知識と同時に、人をどう組織していくかも、残された人にとっては大切なことですね。

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた -
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蠅の王 (新潮文庫) -
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パラドックス13 (講談社文庫) -
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2016年03月07日

浦沢直樹「漫勉」と萩尾望都。

実は、初回の単発もの、いわゆる「シーズン0」は見ていたのですが、シリーズ化されているとは知りませんでした。美術手帖2016年2月号を読んで初めて知りました。シーズン1は残念ながら見ていない。

それが、先日からシーズン2がはじまりました。しかも初回のゲストは萩尾望都! とても好きな作家なのです。もう、食い入るように見ましたね。すでに2回見直した(笑)。永久保存版です。

萩尾望都の作品は、けっこう読んだし、持っていたのですが、引っ越す間に手放した本もありますし、人にあげてしまった本もある。あらためて、読み返してみようと思っているところです。わたくしが好きなのはSFもので「11人いる! (小学館文庫)」、「マージナル (1) (小学館文庫)」、「百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)」といったところでしょうか。とりあえず上げましたが、本当は何でも好きなのです(笑)。

バレエものも好きですし、シリアスな「残酷な神が支配する(1) (小学館文庫)」も、最初読んだときには驚きましたが、好きな作品です。

最近の作品はあまり読んでいませんでしたので、あらためて読み直そうと思っています。場所を取るのでKindleにしようと思っていたのですが、漫勉を見てるとコミックスで読みたくなります。細部まで心を込めた、というより「魂を削って」と言いたくなるような、ていねいに描かれた本を、Kindle などで読んではいけないような気がします。しかし場所を取らないので、ね。

「漫勉」シーズン2は、これからです。ぜひご覧ください。

美術手帖2016年2月号 -
美術手帖2016年2月号 -

11人いる! (小学館文庫) -
11人いる! (小学館文庫) -

[まとめ買い] マージナル(小学館文庫) -
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百億の昼と千億の夜 (秋田文庫) -
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫) -

[まとめ買い] 残酷な神が支配する(小学館文庫) -
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2016年02月11日

作家の収支

子どもが、森博嗣著「すべてがFになる」のシリーズをまとめて5冊ぐらい買ってきました。私は1冊目しか読んでいなかったのですが、これを機会にシリーズ2冊目の「冷たい密室と博士たち」に手を出して、ついでにと思って手に取ったのがこの本。森博嗣著「作家の収支」幻冬舎新書、¥821

裏表紙によると、森氏は「19年間に280冊の本を出し」、(中略)「総発行部数1400万部、総収入15億円」というから驚きです。何が驚くって、そんなに正直に金額を言ってよいのですか(笑)?

「人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した」(裏表紙より)本です。

なれるものなら作家になりたいと思います。ベストセラーを出せば、一生どころか、孫子の代まで食わせていける。この本を読んでいると、カンタンになれそうな気もしてくるから不思議(笑)。「小説家という仕事は、有望とはいわないまでも、意外に将来性のある職種なのだ。これは、ひとえに人件費がかからないから不況に強いということ、資本がいらず設備もいらないこと、そして、比較的短時間で出荷できること、などの好条件」(pp.195-196)。「はっきり言って、誰にでも書けるものだ。日本人なら、小学校の高学年にもなれば、もう書ける人が多いだろう。」(p.196)、「小説を書くために仕入れなければならない素材がない。つまり、原材料がいらない。ゼロから生み出せる」(p.150)などの記述も見られる。カンタンだ、とばかり言っているのではないですが、こんな記述ばかりが目立っているような(笑)?

この本では収支、つまり収入と支出を、正直に告白していらっしゃいます。収入でいえば、印税や原稿料だけでなく、映画の原作、ドラマの原作で得たお金や、講演、インタビューなどの(印税と比べて比較的)少額な収入についてもあげてあり、単発ドラマより連続もののドラマの方が原作料は高いなどといった細かいことまでよくわかります。支出で気になるのは経費部分なのですが、あまり節税はしていらっしゃらないようです。経費とは別に趣味の部分で支出はあるが、それも収入の1割までとのことですから、知れてます。つまり、金が貯まる一方ということ。うらやましいです。しかし、私にもしお金があったら何に使うかといえば、それほど使い道がないようにも思います。

自分が作家になったときのことでも考えておくかな(笑)。

作家の収支 (幻冬舎新書) -
作家の収支 (幻冬舎新書) -

すべてがFになる (講談社文庫) -
すべてがFになる (講談社文庫) -

冷たい密室と博士たち (講談社文庫) -
冷たい密室と博士たち (講談社文庫) -
タグ:森博嗣
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