2020年02月23日

空の玄関口

マーク・ヴァンホーナッカー著「グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF) - マーク・ヴァンホーナッカー, 岡本由香子」早川書房
齊籐成人著「最高の空港の歩き方 (ポプラ新書) - 成人, 齊藤」ポプラ新書
猪乙くろ、竹本真著「前略 雲の上より(1) (イブニングコミックス) - 竹本真, 猪乙くろ」講談社

私は、いわゆる「陸マイラー」というやつでして、クレジットカードを使ってマイルをためて、飛行機に「タダで」乗ることを繰り返しています。以前はJALの株主で、優待で飛ぶこともありましたが、ほとんど使わないうちに破産してしまいました。いまは、純粋にマイルだけ。

はじまりは、「グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF)」でした。翻訳がよかったのだろう、飛行機の旅に出たくなる本でした。「飛び恥」といわれ、ヨーロッパなどでは飛行機を使うことが減っているとか。でも正直、飛行機を使う空の旅にはロマンがあり、空港は異国へつながる特別な場所です。出張の仕事があるわけでなく、わたくしが飛行機に乗るのは年に1、2回、あるいは数年に1回という程度。だからよけいに、空の旅には惹かれます。

続いて、「最高の空港の歩き方 (ポプラ新書)」。空港そのものがエンターテインメント化しており、訪れる価値のある場所になっている。羽田空港には「航空神社」というのがあるそうで、受験生を抱える親としてはぜひ行ってみたい(笑)。そしてこれをビジュアルにしたら、「前略 雲の上より」というわけです。読みふけってしまい、電車で乗り過ごしそうになってしまいました…… 空港の魅力をとても伝えていて、「ただ空港に行きたいためだけに飛行機に乗る」という贅沢をしてみたくなります。それこそ時代に逆行する行為ですが(笑)……

グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF) - マーク・ヴァンホーナッカー, 岡本由香子
グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF) - マーク・ヴァンホーナッカー, 岡本由香子
最高の空港の歩き方 (ポプラ新書) - 成人, 齊藤
最高の空港の歩き方 (ポプラ新書) - 成人, 齊藤
前略 雲の上より(1) (イブニングコミックス) - 竹本真, 猪乙くろ
前略 雲の上より(1) (イブニングコミックス) - 竹本真, 猪乙くろ


タグ:飛行機 空港
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2020年01月22日

2019年の読書を振り返る

ブクログによると、2019年は179冊の本を読んでいます。100冊はマンガですが……

平均すると月15冊になりますが、2月は2冊しか読んでいません。ここでもう1冊読めていれば180冊で、切りのよい数字になったのですが。9月はKindleで「進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス) - 諫山創」が無料で29巻まで読めたのですよね。これをカウントすれば200冊超えだったのですが、あんまりかなーと思って足しませんでした。

さて、昨年読んだ本でおもしろかったものをいくつか上げます。

金子常規「兵器と戦術の世界史 (中公文庫) - 金子 常規」(中公文庫)
一昨年末に同じ著者の「兵器と戦術の日本史」を読んでいましたが、これがおもしろかった。今回はこれを世界史レベルで検討した本。
編制・装備・戦法の全く異なる元軍との対決は、戦場において不利だった日本軍に対して、その戦術・戦法に大きな影響を与えるはずであったが、たとえ台風による自滅であったにせよ、日本軍の勝利とみなされたため、武家は元寇の教訓をあえて採用しようとしなかった。鉄炮等の新兵器も一顧だにされなかったし、元軍の歩兵団体戦法は、武家の一騎打ち戦法を終わらせるものであったが、それも無視された。これらは、武家のこれまでの在り方と相容れず、その支配を危うくするものであると見られたためであろう。虚像といえども勝利感は変革を生まなかったということは、日本でも例外ではなかった。(p.46)
日露戦争以来、長らく培養されてきた銃剣白兵の方針は、うまくいかなくなったとして、にわかに火力方針に変更しても、兵器装備を含む体質がこれに相応せず、成功するはずはなかった。日本軍は、銃剣白兵の戦力を高く評価しすぎていたのであり、今となっては、この評価を低くして量で対処する、いわゆる人海戦術を採る以外になかったのである。そしてこの方法は五年後、朝鮮戦争において中国軍により実践されることとなった。(p.348)
日本は戦争状態にはありませんが、日本は変わっていないと落胆します。歴史から学ぶことはたくさんあると思うのだけど、今の総理大臣、歴史から学ばないどころか、あまつさえ都合の悪い書類はすべて廃棄。残念です。
兵器と戦術の世界史 (中公文庫) - 金子 常規
兵器と戦術の世界史 (中公文庫) - 金子 常規


川北稔「世界システム論講義: ヨーロッパと近代世界 (ちくま学芸文庫) - 川北 稔」(ちくま学芸文庫)
私は歴史を「国」を単位として見ていたし、その国は同じ一つの発展コースをたどって「後進国」から「先進国」へと段階を経ていくのだと思っていましたが、それは大きな間違いであると教えられました。
今日の南北問題は、「北」の国が「工業化」され、「開発」される過程そのものにおいて、「南」の諸国がその食料・原材料生産地として猛烈に「開発」された結果、経済や社会のあり方がゆがんでしまったことから、生じたのである。(p.168)
これ以後、現代にいたるまでの歴史は、一貫して「万物の商品化」の歴史である−−賃金労働というかたちで、労働力つまり人間も「商品化」され、土地も商品となるばかりか、産業革命以降になると、「教育」や「育児」のような家庭や共同体がもっていた役割までが「商品化」される−−が、封建社会のなかでも、商品化はよほどすすんでいたことは知っておくべきである。(p.241)
コルカタやムンバイなど、インドには工業化の動きもなかったわけでは毛頭ないが、近年のその台頭には、あきらかに情報通信技術の展開が大きな力となっている。開発とは、すなわち工業化のことであり、工業化された国こそが「中核」国であるという、かつての近代世界システムの通則が、微妙にゆらいでいる証拠が、ここにみえるというべきである。(p.2005)
これまでと時代は変わりつつあり、私たちはその真っただ中にいるのだと実感しています。欧米中心の世界は破綻しつつあると思うのですが、この土俵で戦っているかぎり、日本は落ちぶれるばかりかな?
世界システム論講義: ヨーロッパと近代世界 (ちくま学芸文庫) - 川北 稔
世界システム論講義: ヨーロッパと近代世界 (ちくま学芸文庫) - 川北 稔


河合雅司著「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) - 河合 雅司」(講談社現代新書)
日本の人口は急激に減りつつあるので、就職が「売り手市場」だと喜んでいたのですが、簡単に解決する問題ではないですよね。日本も衰退の一途をたどるのだろうと、暗澹たる気持ちになります。
少子高齢化や人口減少に伴う東京一極集中とは、地方から人を流出させ、それがゆえに預金の流出となり、それがまた更なる人の流出を招く。子供が生まれにくい社会は、連鎖的に地方を消滅に向かわせる。 ( p.127)
しかし、嘆いて悲観しているばかりでは何も生まれません。
個々人・個別企業の視点に立って少子高齢社会を眺めれば、悪いことばかりではないはずだ。いつの時代も、「変化」があるところにはチャンスがあるからだ。これからの大激変は、とりわけ若い世代にとっては大きく飛躍する機会ともなり得る。さあ、時代の変化を読み、わずかな勇気をもってこれまでの発想をぶち壊していこう。(p.230)
未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) - 河合 雅司
未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) - 河合 雅司


ジェームズ・スロウィッキー著「群衆の智慧 (角川EPUB選書) - ジェームズ・スロウィッキー, 小高 尚子」(角川EPUB選書)
適切な状況下では、集団は極めて優れた知恵を発揮するし、それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知恵よりも優れている。優れた集団であるためには特別に優秀な個人がリーダーである必要はない。(p.77)
これにつきます。部署の会議でも、気をつけようと思っています。
群衆の智慧 (角川EPUB選書) - ジェームズ・スロウィッキー, 小高 尚子
群衆の智慧 (角川EPUB選書) - ジェームズ・スロウィッキー, 小高 尚子


半藤一利著「昭和史-1945 (平凡社ライブラリー) - 半藤 一利」(平凡社ライブラリー)
この時になっても、まだ北海道の北半分を領土とすることを主張するソ連の提案を、トルーマンは真っ向から否定しました。おかげで日本はドイツのように分割されることなく、戦争を終結できたわけです。こうした歴史の裏側に隠されていた事実をのちになって知ると、いやはや、やっと間に合ったのか、ほんとうにあのときに敗けることができてよかったと心から思わないわけにはいきません。
 それにしても何とアホな戦争をしたものか。この長い授業の最後には、この一語のみがあるというほかはないのです。ほかの結論はありません。(p.498)
昭和史-1945 (平凡社ライブラリー) - 半藤 一利
昭和史-1945 (平凡社ライブラリー) - 半藤 一利
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2019年05月05日

【備忘録】レポート作成のために

資料集めから、実際の執筆まで、自分が大学生の時にどうしてよいかわからず、いわゆる「レポートの書き方」みたいな本をたくさん参考にした。大学を卒業する際に大半の本は手放したが、その後必要があって買い直した本もある。備忘録として。

木下是雄「理科系の作文技術 (中公新書 (624))
プレゼンのやり方まで書いてあるのはかなり有効。発表時のメモの作り方にまで言及してあり、とても重宝。もし1冊と言われたら迷わずこれをあげる。木下是雄氏には文系向けに「レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)」という本もあるが、「理科系の作文技術」のほうが有用です。

梅棹忠夫「知的生産の技術 (岩波新書)
古びてしまっている部分もあるが、考え方はいまだに有効。特にデジタル全盛の今、アナログのカードを使うことはとても意味のあることだと思っている。自分がデジタルで同じことをしている場面にも出くわすし(笑)、いまだにアナログのカードを使って作業することもある。複数のカードをつなげて新しい発想を生む、カードを並べ替えて文章の構成を考えるなど、梅棹氏発明の「京大式カード」はとても便利です。

本多勝一「【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)
「何を書くか」は大事だが、読んでそれを「わかってもらう」ことも同じように大切。正しい文章を書いてもわかりにくければ意味がない。特に句読点の打ち方については、「長いからそろそろ打っとくか」ぐらいの感覚で、きちんと理解していなかった。本多勝一という人、好き嫌いはあると思うのですが、この本は読んでおくべきだと思います。

一般社団法人共同通信社「記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集
表現、といっても文学的表現とか美しい文章ということではなく、漢字とひらがなの使い分けとか、正しい表記など、テクニカルな「表現」の基準を示す本。とても参考になります。ふだん文章を書く上で、座右においておくべき本です。いつも見ているわけではありませんが、ところどころで参考にしています。

いまだに自分が参考にしている本だが、新しい本もたくさん出ていることと思う。あくまで参考。2019年版の「レポート作成」のための参考資料があるとよいですね。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))
理科系の作文技術 (中公新書 (624))

知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書)

【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)

記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集
記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集
タグ:文章
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2019年01月13日

2018年の読書を振り返る。

合計180冊の本を読んだと記録されています。多いでしょうか? マンガが120冊ぐらいを占めていますので、あんまり読んだとはいえないかもしれませんね(笑)。

2018年に読んだ本で印象に残っている本をあげていくと、まずは

三田紀房著「[まとめ買い] インベスターZ」全21巻
さっそくマンガです(笑)。投資に興味を持つのによいと思いますが、私としてはそれ以上にいろいろな考えかたが参考になりました。一例ですが、
そもそも日本では個人をリスペクトする文化がない (vol.11, p.131)
失敗というのは同じ過ちをくり返すこと
はじめてチャレンジしたことで良い結果が出ないのはあたり前……
それを失敗と思うことなんてないわ
ましてや投資を行ううえで大事なのは……
いちいち損を失敗としてカウントしつづけないこと
失敗を自分の中にため込むと どんどんマイナス思考になっていく
すると臆病で消極的になり負のオーラを発するようになる……
そんな人には絶対に運は向いてこない (vol.7, p.15)
2018年はまた投資を再開しました。年末の株価下落で値を下げましたが、関係ありません。日銀がたくさん日本株を買っていて、ある意味バブルですが、よいのです。バブルがはじけて株価が下がったら、買うのみ。投資市場に残り続け、株を買い続けたいと決意しています。

金子常規著「兵器と戦術の日本史 (中公文庫)
これはおもしろかった! 出版されたのは少し昔のようで、文庫本が出たのも2014年。しかし内容はとても参考になります。新しい兵器が生まれ、それにあわせて戦術が変化し、うまく対応することで戦争に勝つ。ドメスティックな戦いだけならともかく、グローバルな戦いの中で、日本でしか通用しないやり方で戦っていても勝てるわけがない。今の世の中にも通じる話です。
集団歩兵との対決に敗れた日本の突撃騎兵は、その懸合い戦法の不利や兵略思考の欠如などについて大きな反省資料をつきつけられたが、鎌倉武士は何ら反省しなかった。自主的撤退あるいは台風によるにせよ、戦は結局日本側の勝利とみなされたこと、さらに文永の陸戦・弘安の海戦の敗北がいずれも勝利に作り変えられたためである。勝ったからには現方式を変える必要はない。鎌倉武士は先に義経を葬って失敗を成功に変えた時と同じ理由により、その権威保持のためあくまで失敗を認めず成功にしたのである。黒を白と言いくるめるのは未熟の支配者のよくとる道である。(pp.127-128)
などは、今でもある話ですし、自分自身に照らし合わせても犯してしまうミスです。こちらが続編で、最初に刊行された「兵器と戦術の世界史 (中公文庫)」もいま読んでいるところです。とてもおもしろい! 某国の首相、「日本国紀」なんか読まずに、こういう本を読まれたらよいのに。

佐藤優・杉山剛士著「埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)
佐藤優の著書、以前は同じような内容の本を見かけていましたが、私が読む本はあまりそのようなことなく、たいがい「あたり」です(笑)。特にこの本は、子どもたちの進学にあたり、とても参考になります。
ラグビーのスポーツ大会なんてセンター試験の直前まで3年生も本気で試合してますよね(笑)。受験の合理性だけを考えるならば、そんな時間もすべて勉強にあてればいいはずだけど、絶対にそんなことはしない。それはやはり、浦高のモットーである「尚文昌武」の実践で、それは決して蛮勇などではなくて、生徒の人生を考えたときに最良の教育であるという伝統があるからだと思うんです。受験の先にある大学、そして大学の先にある社会で活躍するために本当に必要なものは、文系なら数学、理系なら歴史まで深掘りして学ぶような、そういう総合知としての教養だし、部活や校内行事を通じて体得する人間関係とか、頑健な身体とか、そういうものであるはずだからです。 (p.21)
浦高行事というのも、一見すると非合理のように見えるのですが、これは最終的には、非合理なものが不条理を防いでいくという機能なのではないでしょうか。 (p.188)
なるほどと思います。推薦で私立大学に勉強もせずにかんたんに安易に入るのを、私はよいことだとは思いません。たとえ浪人しようとも、しっかり勉強して、実力相応の大学に行くべきだと思います。世間的な評価が高くなくても関係ない。偏差値で輪切りにされて入る分でも、きちんとプロセスを踏んで進学すべきだと私は思っています。子どもはそれで苦労もすると思いますが、現実の社会でする苦労は受験よりもっと厳しく辛い。大学入試では苦労しておくべきだと思っています。私の考えかたに合っている本でした。

堀正岳著「ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250
これは2018年にもっとも影響を受けた1冊で、この本にあるさまざまなことを実践しています。本棚のすぐ手に取れる場所に置き、気が向いたら開いて、自分にできることがないか、眺めています。Todoist、ScanSnapを手に入れ、使っています。Spotifyを利用しはじめました。IFTTTで、出退勤や自宅の出入りなど、いくつか自動化しておこなっています。2018年を振り返って、去年は充実したよい年だったと思えるのは、たぶん多くはこの本のおかげです。たまに元気のないことがありますが、「HACK095 落ち込んだときは、自分を肯定する言葉を大量に投下する」(p.128)などはとてもよいハックです(笑)。
落ち込むこと自体は避けられなくとも、自己否定で2重に自分を傷つけている状況を修正できれば、ポジティブな受け取り方がしだいに心の下り坂を、自分で立て直してくれるのです。(p.128)
元気が出ますね。もうとにかく、生活のあらゆる場面で参考になることがたくさんあります。紹介してある数々の「小さな習慣」が、自分の人生を変えてくれると思っています。実践することで、自分の人生の質が高まっていると実感しています。

[まとめ買い] インベスターZ
[まとめ買い] インベスターZ
兵器と戦術の日本史 (中公文庫)
兵器と戦術の日本史 (中公文庫)
埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)
埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)
ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250
ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250
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2018年10月10日

山には登らないが

羽根田 治著「ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件--」ヤマケイ新書

Kindleで読みました。

私は山には登らないのですが、登山という行為が冒険心をくすぐるからでしょうか、興味があります。山に登る友人の勧めで新田次郎の「劒岳〈点の記〉 (文春文庫)」を読んだのがきっかけで、本だけは読むようになりました(笑)。ハイキングでちょっと小高い山に登るのも、できれば遠慮したいのですが(笑)。最近では、夢枕獏・谷口ジロー著「神々の山嶺 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)」、石塚真一著「岳(1) (ビッグコミックス)」などもおもしろかったですね。

さてこの本、遭難した事例を取り上げて検討するという内容です。実際に遭難した方が、再度山に入り、遭難の分岐点がどこだったか検証する作業をしていたりして、とても有用です。当事者の方がよく応じたと思います。命が助かったからこそできることですが、果たして、自分に同じような検証ができるかな? 遭難したかたは結果的に責められてしまうので、生還できたとしても、自分ならちょっと辛いだろうと思います。遭難したかたが亡くなってしまわれ、検証できないケースもあります。それでも、また山に行こうと思われるかた、これから山に登ってみようというかた、いずれにも有益な本です。

あとがきに、
本が絶版にならないかぎり、取り上げた事例から得られる教訓は、細々とでも読み継がれていく。それが少しでも事故防止に役立つのであれば、書き手としてこれ以上の喜びはない。(No.2549)
とあります。山に登る多くの人にとって、少しでも参考になりますように。山での事故が少しでも減りますように。

メモ。
「僕は、山登りのベテランはいないと思っています。その場所でのその天候というのは、みんな初めて経験するものですから。ただ、経験を重ねることで、一般の人よりも多く知識を持っているというだけで、それ以上のものではありません。だから、そのときいちばんいい判断ができるかできないか、それが重要だと思います」 (No.471)
さらにもうひとつ教訓を挙げるとしたら、「慣例や過去のデータを鵜呑みにしないこと」だろう。この事故だけではなく、「まさかこんなところで」という雪崩事故はこれまでに何件も起きている。「これまで雪崩は起きていないから」「山小屋のそばだから」「ガイドブックに紹介されているコースだから」「みんなが通っているから」、そこが絶対に安全だとは限らない。ほんとうに安全なのかどうか、安全だと判断したらその根拠はなんなのかを、自分の目で見ていま一度よく考えてみる必要があろう。 (No.1405)


ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件--
ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件--
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