高橋秀実著「「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー
おもしろかったです。「努力、忍耐、根性」といったスポ根は、まったくありません(笑)。体罰なんてもってのほか!
権藤博著「教えない教え
このところ、体罰について聞かない日はない。私は体罰はあたりまえと思いながら育てられた世代、一切体罰をなくすということが可能なのか? 「完全に」なくすことには懐疑的ですが、やらなければならないと思います。体罰は異常なこと。以前、元プロ野球選手の桑田真澄氏のブログから引用したことがあります(怒ることの無意味さ)。桑田氏は、早くから体罰やしごきの無意味さについて語っていらっしゃいました。同感です。
ときに、権藤氏もたぶん、体罰とは無縁でしょう。選手たちを、大人として扱う。「大人」として扱われ慣れていない人たちや、上の世代のかたたちとは、うまくやれないかもしれないですね。
指導者に求められているのは、”厳しく接する“ことではなく”厳しさを教える”ことなのだ(p.19)。
組織の中でリーダとしての役割を持たされている人、すべての人に読んでほしいと思います。
藤田俊哉、杉山茂樹著「日本サッカーMF論
スポーツの本は何でもおもしろい。野球は子どもの頃からTV観戦で鍛えられてきたので、何となくわかります。でも改めて活字で読んだとき、プレーヤーの心理だったり、監督の理屈だったり、はたまたセイバーメトリクスに見られる数字の妙だったり、改めて気づかされることが多い。
で、この本。スペインはバルセロナFCのホーム、通称「カンプノウ」で、私もサッカーの試合が見てみたくなりました。ユーロ2012の舞台の一つになったポーランド・ワルシャワのスタジアム、記者席はスタンドの最上階にあるそうで、
俯瞰の目とはまさにこのことで、上空から鳥になったような気分で観戦した。ピッチまでの距離は、選手の顔はもとより、背番号さえ判読できないほど遠かったが、サッカーゲームの醍醐味を存分に堪能することができた。急傾斜のスタジアムが数少ない日本から来た観戦者なら、それはカルチャーショックの域に達するものだと思う(pp.111-112)。
カンプノウも同じようだそうです。サッカーの戦術に関する本を読んでいて、テレビのサッカーももう少し全体が見えるといいと思うようになっていました。この本を読んで、改めてそう思います。
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