この号でいちばん役に立ったのは、「『本質が見えるようになる』勉強本ガイド100」(p.91-96)です。吉川洋(東京大学大学院経済学研究科教授)、池田信夫(上武大学大学院教授)、川本裕子(早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授)、金児昭(経済・経営研究家 信越化学工業顧問)、高橋俊介(慶應義塾大学大学院教授)の5人の方がお薦めの本をあげてくださっています。池田氏は教授の肩書きより「アルファブロガー」のほうがとおりがいいですね。読んでない本はどれもおもしろそうです。何冊かあげてみると、
ポール・コリアー著「最底辺の10億人最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?
小松かおり著「沖縄の市場〈マチグヮー〉文化誌―シシマチの技法と新商品から見る沖縄の現在
照屋華子・岡田恵子著「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)
ナシーム・ニコラス・タレブ著「ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
などです。自分と興味や関心がまったく異なる分野の本も読んでみたいと思うのですが、なかなかむずかしいですね。ある人が勧める本をまとめて読んでみるという行為は一度やっておくとよいかなと思います。
「日本一わかりやすい『問題解決力』入門」。須藤実和氏による「仮説構築・検証・修正」、斎藤英明氏による「BCG流思考」、細谷功氏による「フェルミ推定」、齋藤嘉則氏による「ロジックツリー」の4つ。コンサルのかたがたが執筆していらっしゃいます。どれを読んでもなるほどと思います。誰でも、職場での年数を経れば、ある程度の経験は手に入ります。しかしそれを具体的な問題解決のアクションにつなげていくようなことはなかなかできていません。「そこに問題がある」ことからして気がつかない。これを読めば大丈夫、とはいえないところがツライですが(笑)。
「図解『年収2000万vs500万』の思考法」。日経新聞をどう読むか。
(1) 目的意識を持つ。
(2) マクロ経済は流し読み、「企業面」と「消費面」を読み込む。
(3) 「3W1H」すなわち「誰が」、「誰に」、「何を」、「いくらで」に注目する。
読みとり力は
(1) Factを知る。
(2) Opinionを持つ。
(3) 新しいIdeaの発想。
読みとり力を磨くには、
(1) 二つの頭 「経営者アタマ」と「消費者アタマ」。
(2) ビジュアルシンキング 新聞から「ヒト・モノ・カネ」の動きをビジュアル化。
この(2)はおもしろそうです。新聞を読んで、それを図に表してみる。子どもにうまく説明できれば、大人も子どもも理解が進むことでしょう。何か適切な題材を探して、やってみようと思います。
さて、コラムが3つあります。ひとつは頭の体操、発想力テスト10問(p.52-53)。問3、7、9がわかりませんでした。うーんまだまだ。問4や10 みたいな問題はじっくり考えればわかるので、こういうのは嫌いではありません。また、飯島勲氏の連載「リーダーの掟」第17回は政府専用機の解剖図。興味深く読ませていただきました。
【関連記事】
・THE 21 2009年2月号 その1
・THE 21 2009年2月号 その2