2009年06月30日

メモをしない人

先日、ある講演を聴きました。内容は非常におもしろかったのですが、社会性に欠ける講師で(笑)、聴衆の多くはかなり不愉快な気分だったと推測します。独善的な発言が多く、聴衆の態度が気に入らなくて「出て行け」みたいな。講師のかたの気持ちは非常によくわかるのですけど、貴重な体験を期待していった者としては、あまり細部にはこだわらず、楽しく話してほしかった。その点が残念な講演でした。内容がおもしろかっただけに……

 今日はそれがメインではありません。講師の先生が「自分はメモを取らない」とおっしゃっていました。すべて記憶しておくとのこと。先生は、メモにばかり集中して考えることがおろそかになると意味がないとおっしゃいました。なるほど、確かに考えることは最も重要です。私も以前はメモに力点を置かず、記憶してしまおうと思っていました。先生は66歳とのこと。人間って、そのぐらいの年になってもまだ記憶は衰えないのでしょうね。その意味では感嘆しました。

 しかし私はむしろ現在では、「考えるために」メモを取っています。そして、このほうが正しいだろうと自信を持っています。

 脳は記憶することより、考えることのほうが得意です。覚えることは、外部記憶装置に任せておけばよい。細かい数字だったり複雑な用語だったり、覚えにくいけれども、どうしても覚えなければならないものはあります。しかし記憶が必要なものであれば、脳はどうせ覚えてくれるのです。何度も使っていれば、必ず覚えます。

 私はむしろ、メモを取ることで記憶に定着するのだと思います。これは以前築山節先生のところでご紹介したのですが(脳と気持ちの整理術)、「覚える」は入力を重視するのではなく、出力をベースに考えるのです。つまり、耳から入った情報を、いったんメモに出力する。それを見て、しゃべる。そうやって記憶は強化されるのです。自分の記憶なんて、まったくあてにならないということを私はよく存じ上げています(笑)。

 今回、先生はおそらく、自分の記憶力のよさをアピールしたかったのだろうと思いますが、記憶力が優れていることは人間の能力としてはそれほどすごいことではないのです(私よりはすごいと思いますけど)。実生活の中で、覚えることは、それほど求められてはいません。覚えた内容は、あくまで考える材料に過ぎない。

 内容とはあまり関係なく、いちばん印象に残った事柄でした。

【関連記事】
脳と気持ちの整理術
サイエンス・サイトーク/築山節氏「ぼけない頭 2007/3/18」
脳が冴える15の習慣
posted by zxcvaq at 06:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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