続いて「THE 21 (ざ・にじゅういち) 2009年 03月号 [雑誌]
三田紀房 漫画家
◎相手がトクをし、自分もトクをする方法を考える
自分を殺して相手のためにつくすのではなく、自分のリターンも計算する。お互いの利益が得られることが確実にわかった上で、気持ちよく仕事する。
三田氏は絵があまりお上手ではありませんが(笑)、私は彼のマンガが大好きです。高校野球のマンガですら、私が読んでも勉強になる。エンターテインメントとしても十分に楽しい。何度か書いているように思いますが、オススメです。
松本大 マネックスグループ(株)代表取締役社長CEO
◎日々の仕事を通してクレディビリティを築く
1. ウソをつかない
ウソは絶対にいけない。1回でもアウト。失敗もオープンにして真摯に謝罪する。
2. 過不足なく自分を見せる
できることをできるという。安請け合いや逃げることはダメ。挑戦する場合でも、自分の能力を明らかにした上で「やらせてください」。
3. 反省すべきところは反省し、「信頼されよう」とする姿勢を維持する
前向きな姿勢を維持する。
クレディビリティとは「万人が納得できる信頼関係」。「お世話になったから」、「長いつき合いだから」といった情実は万人が納得しない。私もすでに情実のメンタリティに深く浸食されているように思います。どこかできちんとリセットできるとよいのにと思うことがあります。
渡邉美樹 ワタミ(株)代表取締役社長
◎嘘をつかず、等身大であること
1. 自分を実力以上によく見せようとしない
実力以上によく見せようとするのは見抜ける。ビジネスでは嘘がなく、動機が重要。
2. 部下との信頼関係では、孤独を受け入れ、責任を自分で取る
仲良くなることではなく、リーダーが自分で決断を下す。自分が相手を信頼すれば、相手も自分を信頼する。
窪山哲雄 (株)ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル社長
◎ウェットなつき合いを重視
1. すべてをお客さんの身になって考え、相手が望んでいること、困っていることに向き合う
2. ビジネスライクなつき合いに終始しない
3. 一段上の立場で考えて、一段下の立場で行動する
戦略的には、課長なら、部長の立場に立って考える。戦術的には、課長なら、係長や主任の立場に立って行動する。
4. 諸橋轍次氏による、人間関係で大事な3つ
一つ、絶対に私利私欲がないことを自分の心に問いただせ
二つ、礼を尽くして話しているか、上司の気持ちを慮っているか省みよ
三つ、自分が話していることが正しいと思っても、いったんは引け
石渡美奈 ホッピービバレッジ(株)取締役副社長
1. 嘘をつかず、自分の弱点やカッコ悪い部分も隠さない
自分の感情も積極的に口にする。
2. 信頼して、仕事を任せる
3. いつも前向きで、高い目標を持つ
何でも自分のものにしようとする「貪欲さ」を持つ。主語を自分にする、すなわち「私が〜する」と主体的に考える。
4. 仕事の成果はどうあれ、先輩は尊重する。
堀紘一 (株)ドリームインキュベータ代表取締役会長
◎相手を気遣い、徳を積む
1. 約束を守る、時間に遅れない
1回でも遅刻すれば、時間の守れない人間に責任のある仕事はできないと判断される。約束が守れないかもしれないと少しでも考えるのであれば、約束しない。
2. レスポンスを早くする
上司から、「あれどうなった?」と聞かれない。上司にはどんどん質問や報告をする。
3. 連絡を取れない人、こちらの時間を平気で奪う人、上司のお墨付きをもらうまで決断しない人は信頼されない
自分のことが先で、相手のことを後回しにする人は信頼されない。まず相手のことを気遣い、その気持ちを伝える。
川淵三郎 日本サッカー協会名誉会長
◎嫌な話ほど、面と向かって伝える
1. 本人にとって嫌なことほど、面と向かって一対一でしっかりと伝える
ご本人の経験から。上に立つ者は絶対にそこから逃げてはいけない。
2. 伝えかたや意図をどう説明するかは重要
嫌なことは休み明けに、など。嫌な話を面と向かってすることで、長い目で見た時の信頼関係につながる。
3. 監督が「負けてもいいから」とは、絶対にいってはいけない
これもご自身の経験から。営業でも、「最悪、こうなってもいいから」とか「結果は気にせずがんばれ」などは相手の気持ちを萎えさせることがある。
4. 日ごろから選手の様子を見ておく
今声をかけるべきかどうか、ふだんから見ていればわかる。日頃の観察力が的確な状況分析を導き、自分の軸や芯がぶれない。
5. 効果や利益などの「定量的」発想だけでなく、情熱や一体感、喜怒哀楽など「定性的」なものでこそ、組織は力強く動ける
この号、次回へ続きます。
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