2009年01月20日

売文生活

日垣隆著「売文生活 (ちくま新書)」ちくま新書、¥819

週に1冊のレビューはきびしいかなと思いはじめているところです(笑)。というわけで、本当なら先週にアップしようと思っていたのですが、ちょっと遅れて今日。

 原稿料が明治時代にどうだったとか、漱石はどれぐらいもらっていたかとか、そのあたりにはあまり関心がありませんでした。2005年3月の初版で、 2009年になるまで手に取らなかったのは、そういう理由。この本を読む直接のきっかけになったのは、序章「私的売文生活入門」のくだり。日垣隆はいかにして日垣隆になったのか? 失業で収入が断たれた中、投稿による臨時収入で糊口をしのいだことから日垣氏の「売文生活」ははじまったようです。そしてジャーナリストの千葉敦子さんの本から、プロの物書きになろうと決意を決めた。そして「五人の家族を抱えてその日の食費にも困ることがあった私が、アメリカのオンライン・ヴェンダーに加入して『ワシントン・ポスト』の記事を初体験した」(p.016)のです。この行動力! 私が、お金を貯めて年末にMac を買うなどという目標を立てることがいかに恥ずかしいことか! 速攻でAppleサイトからMacBookを注文しようかと思ったぐらいです(ここまで書いてなお買わないところが、日垣氏と私をわけるさらに大きな差)。

 私と日垣氏をもっともわけているのは、この「行動力の差」ではないか。もちろん、頭の程度とか言い出すときりがないですが(笑)。でもすぐ行動することの大切さを教えてもらっています。また、その行動力も、むやみやたらな「努力」ではなく、「しかるべき創意工夫」、なんだかわからないことばを使えば「戦術と戦略をもって」行動することが重要です。

 かつて、作家たちは「お金か自由か」の二者択一を迫られ、「好きなものを書くためには経済的な基盤が必要」と、夏目漱石たちのように新聞社の「おかかえ作家」となってきた。あるいはサラリーマンになった吉村昭のような例もある。日垣氏はここに「有料メルマガ」という自分のメディアを持って乗り込み、経済的基盤を確立していらっしゃいます。これまで多くの人が望んでやまなかった「お金も自由も」を手に入れていらっしゃる。経済的な基盤の確立は私にとっても重要な課題です。サラリーマンとしての私は、いつクビになるかもわからない。いくつかの収入の術を得ておきたいと思っています。「ひとつの私」がダメになっても、家族が安心して暮らせるような仕組みがつくっておけたら。それがまさに「保険」なのですが、生命保険をかければ今度は「死ぬほうがトク」などという事態になりかねない(笑)。

 「モノ書き」という仕事もさることながら、「考えるヒント」がいろいろちりばめられています。「売れる」ということを、1冊×100万部×1年ではなく、100冊×1万部×30年と「面積」でとらえること、フリーランスの人のクレジットカードの作りかたなど、いずれも示唆に富んでいます。私の生活の中でいくつか応用できることもありそうです。たとえば、原稿料ではありませんが、「おいくらですか」と聞く行為。テレビのプロデューサが、金額をたずねられて「ギャラや原稿料は最良のものを提示してしまう強い傾向がある」ことに同意しておられます。こちらが買い手である場合も、先方から安い金額を提示するということはあるでしょう。

 いずれ私も「売文生活者」になりたいと考えていますが(笑)、その際はぜひ日垣氏の方法論を取り入れたいと思います(笑)。

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posted by zxcvaq at 06:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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