2008年08月30日

梅田望夫著「ウェブ時代をゆく」

梅田望夫著「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)」ちくま新書、¥777
このブログにも少し書きましたが、会社の中でプロジェクトを進めています。私はリーダーではないのですが、年齢は一番上。それなりに期待されている役割があると自分なりに感じています。ではその役割をどう果たしていくか。私は、ネットを使って、会社の中に「良き島宇宙」を作りたいのです。私が勤務する会社、属する業界は、ITとはかなり遠いところにいます。だからこそ「ITで勝負する」ことは私にとっては有利だと思います。しかし、リーダーシップを発揮したいとか、もっというと会社で出世したいとか、そういうことが目的ではありません。私自身が楽しいからやっている。それでいいと思っています。しかし同時に、この本を読むことで、私に「リーダーシップを引き受ける覚悟」が備わっているのかどうかを迫られているように感じました。プロジェクトの中で期待される役割をどうこなすか、その上でITをどう活用していくか。ITやインターネットはあくまで道具に過ぎません。成果をどのように上げていくか、インターネットの上には結論がありません。私たち次第です。

 この本、前著「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」に続いて、またもや私に強い影響を与える本になっています。少なくとも30代より下の世代は必読。40代でも遅くはない。「自分はもう、これまでの遺産を食いつぶして生きるから」と諦めた人以外は、すべての人が読んでおく本です。今年の大いなる収穫、インターネット世代の偉大な成果。また私たち誰もがアクセスできる梅田氏のサイト「My Life Between Silicon Valley and Japan」も、インターネットの大きな実りといえるでしょう。

 私たちは今、「1975年から2025年までの半世紀」、すなわち「情報技術(IT)が世界を大きく変えた時代」(p.010)のど真ん中を走っています。同時に私は「『三十歳から四十五歳』という難しくも大切な時期」(p.194)の、終わりの1/3を生きています。大組織のプロを目指しているわけでも、吸収できることをすべて吸収して辞めようとしているわけでもなく、これまでダラダラと生きてしまっていたと反省していますが、それでも私はPCと出会い、こうして今ブログを書いていることはよかったと思っています。それなりに会社人生にも役に立っているはず。そして、ネットを駆使して、会社のピラミッドとは関係のないものを作ったり、業界を横断する組織をつくり、育てていこうとしています。これからインターネットはまだまだ発展していくでしょうし、新しい技術も出てくることと思います。「日本語圏のネット空間を知的に豊穣なものにしていけるかどうかは、日本語圏に生きる私たち一人ひとりの意志にかかっている」(pp.172-173)。私がその一端を担えるかどうかはわかりませんが、できることを愚直に続けていきたいと思っています。

 というわけで、こんな私がこの本で一番気になったのは第5章。「手ぶらの知的生産」と銘打たれたこの章に後押しされて、いろいろな活動をしています。上に書いた以外にも、梅田氏が「もうひとつの地球に住」んでいらっしゃるように、読書のメモをネット上に保存することは行っています。このブログ自体もそうですが、ある話題に対し、「あの本の何ページにこんなことが書いてあった」ということがすぐにわかるように、メモをネット上に上げておいたり、ウェブであれば「はてなブックマーク」などで注目の記事をピックアップしておく。「調べる」行為の敷居が低くなっています。以前はPCもネット関係も貧弱でしたが、今ではいつでもどこでも使える環境になってきています。もう、ペンをつねに持ち歩くことより、PCをつねに持ち歩くほうが簡単で重要だろうとすら思ったりします。軽くてパワーのある、MacBook Airのようなマシンが欲しくてたまりません(笑)。

 ネット上のツールはコラボレーションにも向いていますし、時間や場所の制約をなくしてくれます。そして、私たち一人ひとりの知的生産によって、知識すらも遍在=あまねくある世の中になってきています。紙のノートやカードに書くよりも、PCに書くほうが保存場所にも困らず、検索能力にも優れている。しかしそれをネットに上げておけば、どこからでも見ることができる。すぐれた道具のおかげで、私たちの「知的生産」は飛躍的に向上しました。それを利用しない手はありません。

 そしてもう一つだけ。学ぶことはいくつになっても続けるべきだと思います。年を取ったとか定年が近くなったとか、関係ありません。学ぶ機会を提供されたら積極的に利用すべきだと思いますし、提供されなくても自分からどんどん学びに行くべきだと思います。リアルで学校に行ってもいいですし、通信教育もある。そしてここでも、ネットを利用して学び続けることができる。今はそうした世の中になっていると思います。学び続ける私たちの姿勢が、日本や世界をよいものに変えていく。私たちにそうした「オプティミズム」を提示してくれる、そんな本でした。

 梅田氏の著作はまだいくつかありますが、他にはぜひ「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」を読んでみたいと思っています。梅田氏のオプティミズムをささえる言葉たちに、出会ってみたいと思います。



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posted by zxcvaq at 07:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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