2008年06月13日

佐藤可士和の超整理術

佐藤可士和著「佐藤可士和の超整理術」日本経済新聞社、¥1,575
「超整理術」と名前が付いていながら、オフィスの写真があるわけでなし(実はあった)、詳細な図解があるわけでなく字ばっかりで「デザイナーなのに写真が少なく、図がないのはまずいっしょー」とある意味幻滅し、出版当初に見たときには引っかかりませんでしたが、最近になってパラパラめくってもう少し中を読んでみたら、ひょっとして食わず嫌いなのではと思い、読んでみました。

 最初に佐藤氏は整理術の必要性を説きます。私の持っているデザイナーのオフィスのイメージは、いろんなものが雑然と置いてあって、どこに何があるか他者からはまったく見えないような場所。そんなところだからこそ、整理術は必要なのだろうと思いました。ですが、巻頭にあった写真…… これ、どこかの会議室で佐藤氏の写真を撮ったものだろうと思ったのですが、なんと、オフィスだそうです。モノがない! 「モノを絞って、スッキリと気持ちいい環境の中で、効率的に仕事をしたい」(p.69)との佐藤氏の言葉が、哲学にまで高められたオフィスといえるでしょう。

 さて、佐藤氏によると整理術には3つのレベルがある。
1. 空間の整理術
2. 情報の整理術
3. 思考の整理術
で、1から3に行くに従って難易度が上がるということです。

1. 「空間」の整理術  目的は快適な仕事環境。まずはカバンの整理から提案されています。佐藤氏はカバンは持って歩かないそうです。私も昔はカバンなんか持って歩かなかった。いろいろと細々した荷物を持つようになったとき、いわゆる「セカンドバッグ」はカッコワルイので、トートバッグに放り込むようになったのですが、このおかげでものがどんどん増えてきて、今に至っています。しかし仮にカバンの中味を減らすとしても、私の場合は弁当があります。弁当用に小さなカバンを持っている人もいらっしゃいますけど、私としてはあまりかっこよくないかなと思いますので…… しかし、いらないモノが入っていることも事実ですので、見直しは実行しました。実はまだ完全ではないのですが、なかなか出せません。目薬、のど飴、コンタクトの予備…… こういったものは手帳にもはさんであるので、減らせるのですが、思い切りがつきません。またiPod shuffleはよいと思います。私もいずれiPhoneを買いますが(あくまで予定)、勉強専用にshuffleを持っておいても良いかと(それなら今のiriverでもいいような気もしますが(笑))。新しいカバンはほしいのですが、この本を読んで、ふたたびボーナスの「ほしいモノリスト」を見直します。
 モノを整理するときに捨てることは不可欠ですが、手順として、(1) アイテムを並べてみる (2) プライオリティをつける (3) いらないモノを捨てる そしてもう一つ、捨てることは「とりあえず」との闘いだとし、「”とりあえず”とっておくことは、整理するうちには入りません」(p.85)とのこと、よくわかります。この視点で、デスク周り、PC周りなどを見直してみたいと思います。ペンを減らすことは考えてもいいなと思っています。「空間の整理は、フレームの形状を決めて入れ子構造にするとコントロールしやすい」(pp.109-110)とありますが、これはスペースがどれくらいあるか確認してからですね。
 空間を整理するのに、迷うことは少なからずあると思いますが、時間の視点を導入することが不可欠だと佐藤氏はおっしゃっています。最終バージョンだけ残しておく、また一定時間経過したらアップデートする、などは心がけたいものです。

2. 「情報」の整理術
 プライオリティをつけることは「情報」の整理にもつながります。まずは問題の本質に迫るために「視点」を導入する。その最終目標は「ビジョン」を導き出すこと。そのための手段として、(1) 引いて見つめる (2) 思い込みを捨てる (3) 視点の転換 があげられています。これらは「多面的に見る」ためのバリエーションです。明治学院大学や国立新美術館が具体例。情報を整理するためには「目指すべきビジョン、つまり”あるべき姿”を目指して整理するという大前提があってこそ、ポジティブに、意欲的に取り組めると思うのです」(p.150)とのこと。目標を持つことは大事だとよくいいますね。

3. 「思考」の整理術
 「思考」を情報化するために必要なのは、まずは「無意識の意識化」。考えを言語化していく行為です。自分の考え、相手の考えを言葉にしてみる。このときに「仮説をぶつけてみる」ことを強く提案しておられます。もう一つ、「他人事を自分事にする」ことの大切さを説いていらっしゃいます。「顧客本位」とよくいいますが、本当にリアリティを持って、他人事を自分のこととして感じられるかどうか。これは才能ではなく、努力で鍛えることができると思っています。

 あとがきによると、これは佐藤氏のはじめての著作とのこと。佐藤氏の「得意分野」だからでしょうか、よくまとまっており、大変読みやすかったです。このテーマでさらにいくつか書けるのではないかと思いますが、ぜひムックあたりで「ビジュアル編」と銘打ち、オフィス、机やカバン(持ち歩く時用の)を写真で公開していただけるとうれしいかな。特に、オフィスに人がいる様子についてはぜひ見てみたいと思います。



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posted by zxcvaq at 04:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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